住宅の断熱!部位別の優先順位!

皆さん、こんにちは!

建築士のやっぴーです!

今回は、住宅の新築やリフォームの際の「断熱の優先順位」をご紹介します。

今回の記事は、新築住宅にもかなり重要な情報ですが、特に「リフォーム工事」にとって有用な記事になっています!

リフォームに関しましては、予算がある中での選定になってくる場合が多いかと思います。

そんな中でも、後々「あそこの部分にお金をかけておけば良かった!」、「工事業者にオススメされるがままに工事をしてしまったら、あまり断熱効果が得られなかった!」などの後悔をしない為にも正しい断熱の知識を身に着けておくことは重要だと思います。

よりコストパフォーマンスが良い部位はいったいどこなのか!

わくわくしてきますね^^

それでは、断熱材を施工するのはどのような箇所があるのか。それは、大きく分けて以下の4部位となります。

  1. 天井

それでは最初に結論をお話します

断熱優先順位は・・・・

1天井=2窓>>>>>>3壁>4床!です!

リフォーム工事だけの観点からですと窓が1番になってきますが、トータルを考えると天井と窓は同じくらい大事と考え、同率1位とさせて頂きました。

それでは1部位ごとに簡単にご説明をしていきます。

目次

天井

まず、断熱において最重要になってくるのが天井です。

壁の部分などと違い常に太陽光を浴びる箇所であり、夏場などは非常に熱を持ってきます。

夏場などに、お客様のお家のアフターなどで天井裏を見させて頂くことがあるのですが、気を失うんじゃないかと思えるくらいに熱くなっています^^;

そんな熱くなっている空間が、日ごろ生活している居室の真上にあるのですから、その部分の断熱は非常に重要となってきます。

屋根の断熱は通常、壁の断熱暑さの2倍の断熱材を施工します。

その観点からも、どれだけ天井の断熱が重要なのかが分かりますね!

それでは屋根の断熱に関して、大きく分けて2種類の断熱の仕方があるのでご紹介します。

それは下記となります。

  1. 天井断熱
  2. 屋根断熱

どちらが良い悪いという物ではありませんが、上の写真の見た目からもわかる通り、屋根断熱のほうが視覚的にも直接的に太陽の熱の影響を受けやすいかと思います。

また、冷暖房の観点からも室内の容積が大きくなる分、屋根断熱の方が不利にはなってきてしまいます。

ただ屋根断熱の場合、天井高を高くとることができ、より開放的な居室になることは間違いありません。

それを踏まえて、どちらにするかを検討する必要があります!

新築の場合は、上記を考慮した断熱材や施工方法をとるのが普通ですので、施工をお任せする工務店さんに相談するのが良いかと思います。

では、リフォームの場合はどうするのか。

私がおススメする、リフォームの屋根断熱はこちらになります!

断熱材付きのボードを施工する!!です!

下記の様に、石膏ボードに断熱材は張り付けてあるタイプの断熱材となります。

この断熱材の良い所は、現状の天井にそのまま施工が可能だという点です!

通常、屋根断熱のリフォーム工事となると

1,既存の天井を解体

2,天井下地組み(既存を補修して使用する場合も有り)

3、天井断熱材施工

4,天井ボード復旧

5,天井クロスなどの仕上げ

上記の5工程が必要になってきます。

しかし、断熱材付きのボードで施工をすると

1,既存の天井にそのまま、断熱材付きボードを張り付け(既存の天井下地にビス打ち等)

2、天井クロスなどの仕上げ

上記の2工程で済んでしまいます!!!

早い!!!

しかも、解体工事もないのでリフォームに付き物の、埃もほとんど出ません!

工程・埃の面からも、お施主様のストレスを最小限にすることができる素晴らしい施工法だと思います!

断熱効果も、現状の断熱にプラスアルファすることが出来る点も、かなり優秀ですよね!

私はいつも、アキレス株式会社様のアキレスボードを使用させて頂いています^^

気になった方は、アキレス株式会社様のホームページをググってみてください!

次に大事になってくる箇所が、窓です!!(リフォームだけの観点からだと1位!)

今の住宅業界の新築では、アルミ複合サッシ+ペアガラスが一般的かと思います。

古いお宅ですと、ガラスが単ガラスの場合も多いかと思います。

家全体の中で、一番熱を通しやすい部位はどこだと思いますか??

それは、窓なんです!

窓が天井や壁、床と比べて圧倒的に熱を通しやすいのです!

熱の伝わりやすさを表す値に、「熱伝導率」という値があります。


この値は熱の伝えやすさを表した値です。

物質の両面に1度の温度差があるとき、1㎡当たり1時間にどれだけの熱量が伝わるかを数値化た値が熱伝導率として表現されます。

この熱伝導率の値が大きければ大きいほど、移動する熱量が大きいことであり、熱が伝わりやすいことになります。熱伝導率の単位はW/(m・K)です。

この熱伝導率ですが、壁や天井などは断熱材の種類や暑さによって異なるものの、

ネオマフォームだと0.02W/㎡・Kほど、一般的なグラスウール24kg/㎡でも0.038 W/㎡・K です。

それが窓になると、どのくらいの数値になるのか。。。

一般的なアルミ複合樹脂サッシ+ペアガラスですと3.20 W/㎡・K ほどの数値になってきます。

高性能なサッシを使用しても、数値を1以下にするのは至難の業かと思います。(金額的にも跳ね上がります;;)

新築住宅では、最低限のアルミ複合樹脂サッシ+ペアガラスが使用されているので良いかと思いますが、昔の古い住宅ですとそうはいきません。

基本は単ガラスに鋼製サッシが使用されているお宅が多いかと思います。

我が家もそうです(´;ω;`)

某サッシメーカーさんのCMでも謳っていますが、そんな窓を変えると人生が変わります(笑)

人生が変わったくらいに、居室の温熱環境が変わるということです!!!

本当に劇的に、体感できるくらいに変わります!

では窓を変えるというと、どのような方法があるのでしょうか?それは下記の3パターンとなります。

1,今の窓を解体して新しい窓を取り付ける。

2,今ついている窓の室内側に、もう1つ窓を取りつける。

3,今ついている窓はそのままに、ガラスのみ交換する。

まず1番目の方法ですが、一番費用が高くなります。外壁も一部張替えや塗り替えの必要性が出てきてしまい、内装工事も必要になってきてしまいます。

正直、1番お勧めできない方法です。

もし、お家の全面的なリフォームをお考えでしたら、とるべき選択肢の1つになってくるかと思いますが、断熱工事だけに焦点を当てて考えるとコスパは悪いかと思います。

オススメになってくるのが2番目と3番目の方法です!

2番目の方法は、内窓を付けるという施工方法になります。

下の写真は、LIXILさんから出ている「インプラス」という商品です。

今ついている窓の室内側に、もう1つ窓を付けるだけですので、外壁には一切触りません。施工方法によっては内装のクロスなども一切痛ませずに取り付けも可能です。

ただ、1つ欠点をあげるとするならば、窓を開けたい場合に1か所につき2回も窓を開閉しなくてはいけなくなる点です^^;

日ごろ、よく開閉する窓だと、結構面倒くさいかもしれません。。。

そして3番目の方法は、いまの窓はそのままにガラスだけ交換する方法です。

上記の画像は、LIXILさんのアタッチメントガラスという商品です。

今の窓枠の内側にガラスを付ける形となるため、ほんの少しだけガラス部分が小さくなります。

でも、ほぼ気にならないかとは思います^^

先述した通り、内窓をつける方法かガラスのみを交換する方法がおススメです!

今回の順位で、窓を2番目にしましたが正直、リフォームでは1番かと思います(笑)

先述した、天井や窓と比べると「特別何かをする」という必要がないかもしれない部分となります。

新築においては、一般的な施工と部材を使用していれば、一定以上の性能は確保できますし使用する断熱材によって体感的に変わることはないかと思います。(施工方法が疎かだと話は別ですが^^;)

リフォームにおいて壁で重要視するのは、今入っている既存の断熱材が正常に機能しているかどうかだと思います。

昔はグラスウールという、袋に入った断熱材を使用するのが一般的です。(今でも一般的です)

お家によっては、長年の結露などにより断熱材が水分を含んで断熱機能を失っていたり、含んだ水分の重みによって壁の下の方に落下してしまい、壁上部に断熱材が無い状態になってしまっている場合があります。

そういった場合は、壁を一度剥がし、再度適切に断熱材を施工する必要があります。

ただ、断熱材が適正かどうかのチェックにおいても、今の既存の壁を一部とらなくてはいけない為、もし点検などをするとしたら「異常に断熱効果が低いきがする」などの場合かと思います。

まずは専門家に点検に来てもらったほうがいいかと思います^^

最後にご紹介するのは、床です!

正直、今回の4部位の中では優先順位は最下位です^^;

床の断熱は大きく分けて下記の2パターンになってきます。

1,床断熱

2,基礎断熱

寒い地域は一般的に、基礎断熱が多いかと思います。

逆に本州以南の地域では、床断熱が一般的だと思います。

床の断熱は、壁と違い床下点検口から直接見ることが出来ます。

床断熱材の種類も、高品質なネオマフォームから一般的なウレタンフォーム版まで様々ですが、適切に施工されていれば体感的にはほぼ大差がないかと思います。

敏感な方だと、少しわかる程度かも^^;

ですので、リフォームの際は専門家の方に床下に潜ってみてもらい、適切に施工がされていれば手を付けなくても良い箇所なのではと思います。

もし、どうしても床下断熱も変えたい!!性能を良くしたいとお考えであれば、現状の断熱材よりも高品質なものに変たりすることを行っていくのが良いかと思います!

まとめ

以上が断熱材に関する優先順位となります!

正直、天井と窓は両方ともとは思っています^^;

リフォームの観点からだと、窓が間違いなく施工数だと1位ですものね!

もし今回の記事をご覧になった中で、ご質問やご指摘がありましたらお問い合わせフォームからご連絡を頂ければと思います!

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

やっぴー
一級建築士。現役の設計士兼現場監督です。リフォームや耐震改修も得意です。
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • この記事を読ませてもらって、リフォームについてのヒントをいただきました。
    現在、築34年の自宅の外壁と屋根の初めての塗装を検討しています。
    塗装による遮熱効果について、見積もりを依頼している複数の塗装業者の説明が以下の通り様々です。
    「屋根は遮熱塗料にした方がよい」
    「遮熱塗料は屋根よりも壁の方に必要」
    「2階の熱気は屋根を遮熱塗料にするよりも屋根裏換気扇がおすすめ」
    「室内の温度を下げるには窓の遮熱が断然効果があり、遮熱塗料による効果はそれほど期待できない」
    (実際、約10年前にサッシをペアガラスに、2年前にほとんどの窓に雨戸をつけて、夏の暑さがかなり軽減しました。2階がもう少し涼しくなればと思っています。)

    塗料については、遮熱性に費用をかけるよりも耐候性(耐久性)を優先すべきでしょうか?
    建築士としてのご経験やの専門的な視点からのアドバイスをよろしくお願いいたします。

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